紀元前3世紀、
将軍ハンニバルがローマに侵攻した第二次ポエニ戦争が舞台。全1巻。
アルキメデスの兵器で囲まれたシラクサを中心に、兵器と戦争、戦争の犠牲とはかなさを描く。
紀元前3世紀終わり頃、地中海ではローマとカルタゴが争っていた。天才ハンニバルの活躍によってカルタゴは勢力を広げていく。ついにはローマの同盟市シラクサまで手を伸ばす。
カルタゴ派に掌握されたシラクサはローマとの同盟を破棄。もちろんローマは黙っているわけがなく、海からシラクサを攻めるのだが…
アルキメデスが発明した、見たこともない兵器に翻弄される。

作中には多くのアルキメデスの発明品が出てきます。水のくみ取りを効率化させた水ねじは、鉱山に溜まった水を排水するのに役立ちました。
しかし、それらの技術の一部は戦争に使われてしまいます。
では、誰が多くの人を殺した責任を取るのか。
発明者か、機械を操作した者か、指導者か。
そして読み終えた時、
平家物語の冒頭のような「はかなさ」を感じるでしょう。
祗園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
アルキメデスがアルキメデスの原理を発見したとき
「ヘウレーカ( ΕΥΡΗΚΑ )、ヘウレーカ」( 分かったぞ )と裸で走っていったという伝説から。
ギリシアの植民市シラクサの王ヒエロン2世が金細工師に王冠を作らせた。ところが金細工師は金に混ぜ物をし、残りの金を盗んだらしい。そんなうわさを聞いたヒエロンはアルキメデスに、王冠を壊さずに混ぜ物がしてあるかどうか調べるよう命令した。アルキメデスは悩む。
そんな時アルキメデスが風呂にはいったところ、水が湯船からあふれ出たのを見てアルキメデスの原理のヒントを発見した。
アルキメデスは金細工師に渡したのと同じ重量の金塊を用意し、金塊と王冠のそれぞれを、ぎりぎりまで水を張った容器に入れた。すると王冠の方が多く水が溢れ、金細工師の不正が明らかになった。金細工師はその後死刑になったと伝えられている。